パリではオリンピックの全部をちゃんと見たい 東京大会入賞の水泳・榎本遼香の思い

引用元:4years.
パリではオリンピックの全部をちゃんと見たい 東京大会入賞の水泳・榎本遼香の思い

水泳の飛込競技で、東京オリンピック5位入賞した榎本遼香(はるか)選手が、4月から地元・宇都宮市の栃木トヨタ自動車に所属する。目標は2024年のパリオリンピックだ。筑波大学大学院の博士後期課程に通いながら、オリンピックをめざす榎本選手に意気込みなどを聞いた。後半は、練習方法やパリオリンピックへの思い。

ハイリスクハイリターンで挑戦する技を一つ持ちたい

――長所と、さらに伸ばしたいところはどこでしょうか。

飛び板の世界で、私は日本人の中では身長(165cm)が高いので、海外の選手に見劣りせずに、大きな演技をできる。自分の武器だと思っています。

さらに伸ばしたい部分は、演技が良くも悪くも安定型。ブレないんですが、やっぱりハイリスクハイリターンの競技なので、挑戦する技を一つ持ちたいですね。そこが今後の課題です。

――練習はどのようにしていますか?

昨年9月から今年1月ぐらいまでプールの練習を抑えて、体作りに重きをおきました。あんまり日本ではやられてないんですけど、(エクササイズの)ピラティストレーニングを取り入れ、陸上競技の友達にコーチを頼んでアップの仕方を教えてもらっています。自分で骨盤の動きを左右平等にしたり、下半身と上半身の動きを連動させたり、自分の飛込競技にいかしています。

今の時期はプールで練習しています。

すべての力を出したオリンピックのあとに待っていたもの

――この1年で自分が成長したところはどこでしょうか

オリンピックサイクルでずっと動いてきて、東京オリンピックに出るまでの努力が、まずすごくつらかったけど、楽しかった。

もう全部やらなかったことはないっていうぐらいの努力をしてきて、頑張った。でも、オリンピックの後にどういうことが待っているのかっていうのを知らなかったんです。

連続して、オリンピックに出る過程を知ったというか。やっぱりオリンピックまでがフォーカスされがちで、オリンピックのあとの向き合い方っていうのを、この1年間で知りましたね。

特につらかったのが昨年7月の世界水泳のころ。その世界水泳には海外の選手は、東京に出た人たちはあんまり出てなくて、別のいい選手が来ていた。

一方、日本はやっぱり結構固まってるので、東京に出場してきた人が出てきました。私はオリンピックで果たせなかった「決勝に残る」っていうことを目標に練習して、それが達成できました。でも、周りの人ははるかに上の成績をとっていた。パリを担う次世代の人たちだったので、自分はもしかしたらパリの流れに乗れてないじゃないかなっていう、目標を達成しているのに勝手に置いてけぼりな感覚になりました。

その時期は「もう私にはパリは目指せない」という感じで。本当にどうしようもなかったので、カウンセリングに行きました。