日体大エース・藤本珠輝ケガから復活で集大成見せる「力に変えて、思いをぶつける走りがしたい」

引用元:スポーツ報知
日体大エース・藤本珠輝ケガから復活で集大成見せる「力に変えて、思いをぶつける走りがしたい」

 第99回箱根駅伝(来年1月2、3日)で、日体大のエース藤本珠輝(4年)は、集大成として全ての思いをぶつける。5月の関東学生対校選手権(関東インカレ)直後から右足首などを故障し、10月の箱根駅伝予選会を欠場。チームはエース抜きで、連続出場記録を75回に伸ばした。仲間の思いを胸に、藤本が気合の走りで母校を目標8位以内へ導く。

 山あり谷ありの1年をエースとして締めくくる。藤本は、5月の関東インカレ1部ハーフマラソンを1時間2分20秒の大会新記録で優勝し、大学生活最後の年を順調にスタートしたかに思われた。しかしその直後、右足首などを痛め、走ることもできなくなった。10月の箱根駅伝予選会も欠場を余儀なくされた。

 1年時から予選会は常にチームトップ。焦る藤本を、仲間の成長が支えた。盛本主将は「自分たちがやるしかない」と声をかけ、全員がとにかく距離を踏んだ。藤本は「皆の雰囲気がすごく良くなっていった。自分が走れなくても大丈夫って心にゆとりが生まれた」と75年連続出場への思いを仲間に託した。

 予選会は全体5位で突破。玉城良二監督(61)は「藤本を箱根に連れて行かないといけない、とそれぞれが思っていた」とメンバーの覚悟を実感。藤本も治療に専念できたことで着実に復帰の道を歩んだ。休むことはなく、上半身中心のトレーニングや週5回約1時間の水泳で徹底的に調整。努力が実を結び、10月から再び走り出した。

 指揮官は「彼は強くなるためにやるべきことを、自分でわかっている。だからこそ走り出してからの回復が早い」と感心。11月の日体大記録会で1万メートルを28分19秒76で走りきった藤本は、安堵(あんど)の表情を浮かべた。「ここまで来れば、自分の中でも安心できる感じがした」。状態は、8~9割ほどまで回復した。

 日体大は優勝10回を誇る名門校。18年4位からはシード獲得から遠ざかっているが、復活した藤本に加え責任感の増した他選手の激走があれば、目標の8位以内も確実に見えてくる。藤本は「苦労したことを全部自分の力に変えて、思いをぶつける走りがしたいです」と力を込める。必死に乗り越えたからこそ、達成の喜びは大きいのだ。(手島 莉子)

 ◆藤本 珠輝(ふじもと・たまき)2001年1月14日、兵庫・加古川市生まれ。21歳。中1から陸上を始め、西脇工3年で全国高校総体5000メートル15位、全国高校駅伝1区で駒大の田沢廉に勝利。19年に日体大体育学部に入学。箱根の成績は1年時5区16位、2年時1区8位、3年時2区10位。165センチ、55キロ。趣味はサウナ。来春、日立物流に内定。

 ◆日体大 1926年創部。箱根駅伝には49年に前身の日本体育専門学校が初出場。以来75回連続出場中。優勝10回。全日本大学駅伝は優勝11回。出雲駅伝は最高2位(2010年)。学生3大駅伝通算21勝は駒大に次ぎ2位。長距離部員は選手66人、学生スタッフ11人。タスキの色は白。主なOBは72年ミュンヘン五輪マラソン代表の采谷(うねたに)義秋氏、91年東京世界陸上同金の谷口浩美氏ら。報知新聞社

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