箱根駅伝Stories/早大の次世代を担う伊藤大志「チームのためになるならどこでも走る」

引用元:月刊陸上競技
箱根駅伝Stories/早大の次世代を担う伊藤大志「チームのためになるならどこでも走る」

新春の風物詩・箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。12月19日から区間エントリーが発表される29日まで、全校の特集記事を掲載していく。

早大の伊藤大志(2年)は1年時から学生三大駅伝にフル出場。少数精鋭のチームにあって、主力として期待される選手の1人だ。早稲田の次代を担うエース候補に、これまでの経歴とまもなく迎える箱根駅伝への思いを聞いた。

「なんとなく」始めた陸上で才能が開花

長野県出身の伊藤と陸上との出合いは小学校2年生の時。漠然と「何か習い事をしたい」と考えたが、本人いわく「運動神経が悪かった」という。

「球技はダメ、水泳はダメ、勉強は絶対にしたくない。手先が器用なわけではないし、音楽的センスもない。というわけでたどり着いたのが陸上。消去法なんですよね」と伊藤。はじめは短距離、5年生ぐらいからは長距離にも取り組んだ。

他にやりたいことは見つからず、何となく続けていた陸上だったが、中学1年のうちに県内で上位に入れるようになり、2年では都道府県対抗駅伝の候補選手に選ばれ、3年では全中の3000mで5位、ジュニアオリンピックA3000mでは2位に入った。

結果が出るとおもしろい、「もっと上に」という気持ちが出てきた。

長距離の道で高校に行くなら、県内では「やはり佐久長聖」という気持ちがあった。駅伝部の高見澤勝先生からは、「うちは厳しいから、その覚悟がある人だけ入ってきなさい」とも言われたが、厳しさへの不安より、「どこまでできるか試してみたい」というチャレンジの気持ちのほうが大きかった。

親元を離れての寮生活。「想像通り厳しかったです」と言うが、それがきつくてやめたいと思ったことは一度もなかった。「良くも悪くも楽観主義なんですよね」と伊藤は笑う。家では味わえない寮生活の刺激や、きつい中でも楽しみを見つけて、充実した3年間だったと振り返る。

競技面では高校2年時に国体少年A5000mで3位、高3時には全国高校駅伝1区で5位の成績を残し、5000mでも13分36秒57の高校歴代2位(現5位)をマーク。同世代トップクラスの実力者となった。

競技面での成長はもちろんだが、高校時代に最も学んだのは人間性の部分だ。生活面から厳しく指導され、才能があっても人間性の面で成長できず、結果が出なかった選手のことも見てきた。

高見澤先生からは「俺たちは料理の材料を提供するだけで、どういう味付けや調理方法にするかは自分で決めるんだ」とも言われていた。練習メニューは提示されるが、取り組む量には幅を持たせられていることも多く、考えてどう競技につなげていくかは自分次第。高校時代からこの考え方を身につけられたことが、「今も役に立っているし、これからも生きてくると思います」と話す。

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