大歓声がトライアスロンに戻ってきた!国体に続き今週は日本選手権/加藤友里恵

引用元:日刊スポーツ
大歓声がトライアスロンに戻ってきた!国体に続き今週は日本選手権/加藤友里恵

 10月2日の日曜日、栃木県那須塩原市にて第77回国民体育大会いちご一会とちぎ大会のトライアスロン競技が開催された。私は大会の現地実況を担当した。今回はこの様子をお伝えしたい。

 寒暖差が激しく、女子のレースがスタートする午前9時ごろは気温22度。そこからぐんぐん気温が上がり、男子のレースがスタートする午後0時半には33度まで上昇。絶好のトライアスロン日和といってよいほどの天気に恵まれた。

 国体自体が3年ぶりの開催で、たくさんの方々のご尽力があった。そこに天気も味方してくれたのだと感じた。

 絶好のコンディションの中、女子は東京代表の江田佳子選手(28)が国体初出場、初優勝。男子は三重県代表の前田凌輔選手(27)が初優勝を飾った。

 女子優勝の江田選手はスイムから積極的なレースを展開。後続から来る経験豊富な選手らをバイクフィニッシュまでに約20秒のアドバンテージをつけ、ランへ。

 元々競泳のスプリンターだった江田選手。トライアスロンをはじめたのは2016年、大学を卒業してからだった。その頃はランの走力もなく、バイクも初心者といってもよいレベルの選手だった。東京ヴェルディトライアスロンチームに所属し、蔵本葵選手らはじめとするチームメート、山倉和彦コーチ、山倉紀子コーチ、そして会員のみなさんに鍛えられた。

 フィニッシュエリアに現れた表情には自信がみなぎり、ハイタッチする背中の筋肉は努力のたまものだと感じた。彼女の勝利は他の選手にも良い刺激となると思う。さらなる飛躍に期待したい。

 男子優勝の前田選手は元々U23アジアチャンピオンの経歴を持ち、国内外でも活躍が期待されていた選手の1人であった。しかし、ここ数年はけがなどにも悩まされて思うようにパフォーマンスがあがらず、コロナ禍でレースに出場する機会も失っていた。さらには2021年三重国体を見据えて三重県協会所属として活動してきたが、その国体もコロナ禍のため中止となり、試練は続いた。

 今回はその鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように、素晴らしいレースを見せてくれた。

 スイムアップは同じ三重県代表の谷口白羽選手を含む5人。そこからバイク20キロまでは5人の第1集団で展開していた。そこから前田選手と谷口選手のチームプレイで集団をブレイクスルーし、なんと後半20キロで後続と約3分差をつけて、ランへ。後続からは今年アジアスプリント選手権を制した内田弦太選手らが追走。前田選手はラストを粘り抜き、見事初優勝。谷口選手は4位となり、三重県が天皇杯を獲得した。彼の活躍も江田選手同様、他選手の刺激になったはずだ。

 昨年まではどの大会も無観客で、沿道の声援もなく、フィニッシュエリアは立ち入り禁止だった。今回は久々に選手、観客、関係者、その会場にいる人たちが一体となり、雰囲気だけでも感動した。「トライアスロンはこうでなくちゃ!」と心から思った。選手からも口々に、「応援がなにより力になった!」と声が上がっていた。

 今週末は9日に東京・台場で日本トライアスロン選手権が開催される。同日、海外転戦組はイタリアのカリアリでワールドトライアスロンシリーズ戦に参加。国内外で選手の活躍を期待したい。またカテゴリーは違うが、ハワイでは6日と8日(現地時間)に伝統のアイアンマン選手権も開催される。

 国体でも選手から多くの感動をいただいた。今週末もどんな感動があるのか。楽しみだ。

 (加藤友里恵=リオデジャネイロ五輪トライアスロン代表)

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