14歳で金メダルの岩崎恭子さん「採寸で大人に」 森英恵さん悼む

引用元:毎日新聞
14歳で金メダルの岩崎恭子さん「採寸で大人に」 森英恵さん悼む

 オリンピックの開閉会式などで着用する公式服は、各国・地域選手団の「顔」でもある。11日に96歳で死去した世界的ファッションデザイナーの森英恵(はなえ)さんは、1992年バルセロナ五輪の日本選手団公式服をデザインした。19日、メダリストたちが取材に応じ、公式服から感じ取った森さんの思いを語った。

 ◇岩崎恭子さん、30年たっても大切に保管

 「採寸した時から五輪選手の自覚が生まれ、大人になれた気がしました」

 競泳女子200メートル平泳ぎを14歳で制し、「今まで生きてきた中で一番幸せです」の名言を残した岩崎恭子さん(44)は感慨深げに話した。

 すべてが斬新だった。64年東京五輪以降、赤いブレザーと白いスラックスが定番だったが、森さんは白い上着の背に太陽をモチーフにした赤い丸をあしらい、男子選手には日の丸の入った扇子、女子選手には日の丸を連想させる赤い丸いバッグを付けた。

 トレードマークのチョウのデザインや東京・表参道の「ハナエ・モリビル」など、岩崎さんは世界的デザイナーの存在を知っていた。「そんな方が公式服を担当されるなんて、五輪ってやっぱりすごい大会なんだな、と」。バッグの可愛らしさに加え、動きやすさにも森さんの配慮を感じたという。

 大会後はイベントにも引っ張りだこ。森さんがデザインした公式服で出席した。30年たった現在も、公式服は静岡県の実家に保管している。「公式服を見ると、ともに金メダルを取った柔道男子の古賀稔彦さん(故人)と吉田秀彦さんのことも思い出します」

 ◇有森裕子さん「日本の精神伝えた」

 女子マラソンで日本女子陸上界64年ぶりとなる銀メダルを獲得した有森裕子さん(55)も「日本の精神性を伝える斬新なデザイン。開会式の行進に参加しなかったが、選手団を後ろから写した写真を見ると感動する」と振り返る。

 有森さんは故障を乗り越えて96年アトランタ五輪で銅メダルを獲得し、優れた文化活動に贈られる「菊池寛賞」を受賞した。その授賞式には、バルセロナ五輪の公式服に縁を感じ、森さんがデザインした真っ赤なスーツで出席した。公式服は地元・岡山のアニモ・ミュージアム(有森裕子資料館)に飾っている。「服は人生一度の時間に使うスペシャルグッズ」と語った。【岩壁峻、小林悠太】

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