世界水泳を語る!五輪メダリスト松田丈志さん「福岡が人気の着火剤になって」

世界水泳を語る!五輪メダリスト松田丈志さん「福岡が人気の着火剤になって」

 競泳男子で五輪に4大会連続出場して計4個のメダルを獲得した松田丈志さん(38)=宮崎県延岡市出身=が西日本スポーツのインタビューに応じ、来年7月に福岡市で開催される水泳の世界選手権の盛り上げに力を尽くす意欲を口にした。現役を引退して6年。今後の水泳界の発展に向けた思い、2001年に福岡で開催された世界選手権の思い出、若きスイマーへのエールなどを語り尽くした。(聞き手、構成=松田達也)

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 -世界選手権の開幕まで1年を切った。

 五輪に次ぐ(位置づけの)大きな大会で、(五輪の)前哨戦ともいえる。今回もパリ五輪の前年で、世界のトップスイマーがギアを上げてくる。そういう大会が国内で開催されるのは、日本の選手にとって追い風になるのでは。

 -福岡では2001年以来の開催。

 (アジアで初開催となった)福岡の大会は水泳界にとって大きかった。今大会で2ページ目が始まる。再び水泳が盛り上がるための着火剤となるような大会になってほしい。

 -01年福岡大会の思い出は。

 出場できなかったんですよ。2位までが出場権を獲得する予選で3位になって…。本当に悔しかった。当時は高校2年生。大会期間中は久世(由美子)コーチと福岡に来て、朝は練習して、午後は会場のマリンメッセ福岡まで見に行った。寺川綾、森田智己とか同年代で代表に入った選手もいた。次は絶対に自分が代表になるんだ、という気持ちを持ったのが福岡の大会だった。

 -その思いがその後の飛躍につながっている。

 (2004年に)アテネ五輪があって、出場したけど、悔しい結果(400メートル自由形8位、200メートルバタフライ準決勝敗退)になった。ただ、福岡の会場で見た世界大会の盛り上がりが強烈に残っていた。

 -世界選手権には5度出場し、通算でメダルを3個獲得している。

 05年のカナダ・モントリオール大会は、世界規模の大会で初めてメダル(200メートルバタフライで銀)を獲得できた。自分にとって、世界のトップを争うキャリアが始まった大会でもあった。11年の中国・上海大会(同種目で銀)は、優勝したフェルプス(米国)に勝つにはどうすればいいかを常に考えていた。直接対決して、翌年のロンドン五輪に向けて、どう準備するか考えた。

 -今大会の日本競泳陣への期待は。

 世代交代がうまくいっていないとも思えるけど、若い選手がどんどん力をつけている。世界大会でメダルを取る選手も出てきた。

 -九州ゆかりの若い逸材も育っている。

 5月の日本選手権の200メートル背泳ぎで優勝した竹原秀一選手(東福岡高3年)が成長している。早大の田中大寛選手(大分県別府市出身)、日大の柳本幸之介選手(佐賀県伊万里市出身)もいる。後は若手じゃないけど、鈴木聡美(ミキハウス)=福岡県遠賀町出身=にも頑張ってほしい。五輪と違って、世界選手権は(鈴木が得意な平泳ぎの)50メートルもある。代表入りしてくれたらうれしいですよ。

 -見どころは盛りだくさんだ。

 世界のトップレベルを見る楽しさと、もう一つはスポーツを楽しむという視点もある。世界選手権後、8月にはマスターズ選手権もある。レベルや年齢を問わず、自分を磨いて挑戦していく素晴らしさも感じてほしい。ぜひ子どもたちに見てもらいたい。夢を抱く子どももいるでしょう。世界的なイベントを肌で感じることで視野が広がることも期待できる。

 -競技以外でも考えることがある。

 大会のテーマは「WATER MEETS THE FUTURE」。生活に十分な水がなければ水泳はできないということもあり、環境問題を考えるきっかけになる。オープンウオーター(OWS)は、福岡市のシーサイドももち海浜公園で開催される。海洋汚染にも目を向けないといけない。水泳に携わる人間として、考えることはたくさんある。

 -来年が楽しみだ。

 (コロナ禍で)延期になったが、今年の開催だったら無観客になっていたかもしれない。来年は、ぜひ会場で見てもらいたい。自分も皆さんに分かりやすくお伝えすることを心がけたい。

 ◆松田丈志(まつだ・たけし)1984年6月23日生まれ。宮崎・延岡学園高から中京大に進み、2004年アテネ五輪から4大会連続で五輪に出場。08年北京は200メートルバタフライで銅メダル、12年ロンドンでは同種目で銅メダル。400メートルメドレーリレーで銀メダルを獲得した際に「(北島)康介さんを手ぶらで帰らせるわけにはいかない」という名言を残し、同年の新語・流行語大賞でトップ10入りした。16年リオデジャネイロ五輪では800メートルリレーで銅メダル。同年に現役を引退。現在は日本オリンピック委員会(JOC)理事などを務める。西日本スポーツ

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