自由形で記録更新、コースで泣く池江璃花子さん…母「あれは感激の涙というよりは」

 トップスイマーとして何度も日本記録を塗り替えてきた競泳選手の池江璃花子さん(22)(ルネサンス)。幼い頃から目標タイムを次々とクリアしていく快進撃は、母・美由紀さんを何度も驚かせた。 姉や兄と同じスイミングクラブに通い始めたのは3歳9か月。進級スピードは速く、5歳の時にはクロール、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライで50メートルを泳げるようになっていた。選手コースに上がったのは6歳になったばかりの2006年9月。周囲の選手は年上ばかりで、小柄な姿がひときわ目立っていた。 「記録会に参加する前夜には、必ず親子で布団に入り、レースを想定したイメージトレーニングに一緒に取り組むようにしていました」 目を閉じて、スタートからゴールまでのターンや息継ぎなどの細かい動きを確認。コースから目に入るであろう光景、表彰台に立つ自分の姿などをリアルに思い浮かべることで、翌日は、リラックスして競技に臨むことができた。 「とにかく璃花子は本番に強く、レースで練習以上の力を発揮することがたびたびありました」 小学6年の時、「全国JOCジュニアオリンピックカップ」で、11~12歳の50メートル自由形を全国優勝して注目されると、翌年には、中学1年ながら、短水路50メートルと100メートル自由形で中学記録を更新し、周囲をびっくりさせた。 今も記憶に残っているのは、携帯電話を欲しがっていた中学2年の頃の大会。美由紀さんは「インターナショナルタイム(国際標準記録)を切ったら買ってあげる」と約束したことがあった。 「携帯を持たせるのはまだ早いと考えていたので、途方もなく高い世界基準のハードルを掲げれば、買わずにすむだろうと高をくくっていたんです」 ところが、直後のレースに出場した璃花子さんは、50メートルと200メートルの自由形で驚がくするような記録をたたき出し、インターナショナルタイムを突破した。 「娘はプールから上がることもせずにコースで泣いていました。それは好記録を出した感激の涙というよりは、間違いなく携帯電話を買ってもらえるうれし泣きだったと思います」

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