北口榛花、強豪国チェコの指導者に掛け合い武者修行…世界陸上やり投げで「銅」

 【ユージン(米オレゴン州)=井上敬雄】22日に米オレゴン州ユージンで行われた陸上世界選手権女子やり投げで銅メダルに輝いた北口榛花選手(24)(JAL)は、逸材と言われながら低迷した時期があった。打開のカギは行動力。強豪国チェコの指導者に掛け合い、「自ら動くことが大事」と単身海を渡って力を磨いた。 やり投げと出会ったのは北海道・旭川東高1年の時だ。水泳で全国を目指すはずが、陸上部顧問の熱心な誘いで渋々ながら入部。2か月後の北海道大会で優勝し、3年時の世界ユース選手権を制して将来を嘱望された。だが、日大進学直後から苦しんだ。右肘の靱帯(じんたい)を損傷。完治後も低迷が続き、試合のたびに涙した。 窮地で行動を起こした。国際的な競技者の集いでもらった名刺を頼りに、チェコの指導者デービッド・セケラック氏に英語でメールを送って交渉。2019年に現地に渡って以来、継続的に指導を受けた。 チェコ語も簡単な会話ができるまでに上達したが、コロナ禍で直接指導を受けられない時期が続き、昨年の東京五輪は左脇腹を痛めて12位。悔しさを晴らそうとテレビ通話やメールでやり取りを続けた。セケラック氏は折を見て来日し、今大会は日本代表のシャツを着て客席で見守った。「チェコに家族も教え子もいるのに、なかなかできることじゃない。すごく感謝している」と北口選手。熱意が生んだ絆が快挙を生んだ。 フィールドを離れれば、パティシエの父・幸平さんの影響でスイーツが好きな女子。試合後には、大会中にコーチと通った日本料理店で「金メダルを取れば無料と言われていた」と明かし、「これじゃ足りないかな」。銅メダルを見つめ、冗談めかして喜んだ。

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