オリンピックにSASUKE? 障害物レースが求められる背景

引用元:毎日新聞
オリンピックにSASUKE? 障害物レースが求められる背景

 オリンピック種目にTBSテレビの人気番組「SASUKE」が入るのでは、とSNS(ネット交流サービス)で話題を呼んでいる。6月下旬に五輪種目の見直しを視野に実施された障害物レースのテスト大会で、SASUKEのセットが使用されたからだ。なぜ今、五輪にSASUKEなのか。【倉沢仁志】

 Q オリンピックにユニークな種目が入るかもしれないと聞いたよ。

 A 五つの種目の合計ポイントで争う近代五種で新種目の採用を検討している話ですね。近代五種は水泳とフェンシング、馬術、射撃、ランニングの5種目で合計ポイントを競いますが、2028年ロサンゼルス夏季五輪から馬術が除外される見通しです。そこで新種目として、障害物レースの採用が検討されています。

 Q どうして馬術を除外するのかな?

 A 近代五種は1912年から実施している伝統的な競技ですが、昨夏の東京五輪ではドイツのコーチが馬をたたいたことが問題になりました。競技の人気低迷もあり、国際近代五種連合(UIPM)は馬術に代わる新種目として、若者に人気があり、テレビ映えもする障害物レースを有力候補と位置づけています。

 Q 障害物レースって、何をするの?

 A さまざまな障害物をクリアするTBSテレビの人気番組「SASUKE」のようなイメージです。6月27、28日にトルコであったテスト大会で、選手はSASUKE名物のうんていや、反り返った壁を駆け上がる通称「そり立つ壁」に似た障害に挑みました。TBSがセットの一部を提供したことで「五輪にSASUKE」と注目されました。

 Q 挑戦した選手はどう感じたのかな?

 A 近代五種の選手は「手や腕に負担がかかるが、少し時間をかければ大丈夫」とコメントし、障害物レース専門の選手は「障害物レースの選手が近代五種もやってみたいと思うようになる」と好意的でした。

 Q いつ決まるのかな?

 A UIPMは複数のテスト大会の評価などを踏まえ、総会で正式に採用するか決定しますが、関係者には馬術の存続を求める声も根強くあります。

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