松田丈志氏、水沼尚輝の銀メダルは日本競泳界に勇気もたらす 後半50メートルが見事だった

引用元:スポーツ報知
松田丈志氏、水沼尚輝の銀メダルは日本競泳界に勇気もたらす 後半50メートルが見事だった

◆世界水泳 第7日(24日、ハンガリー・ブタペスト)

 男子100メートルバタフライ決勝で水沼尚輝(25)=新潟医療福祉大職=が50秒94で銀メダルを獲得し、この種目の日本勢で五輪と世界選手権を通じて初の表彰台に立った。幼少期にコイと泳いだ水の申し子が、2024年パリ五輪につながる「メイクヒストリー」を成し遂げた。クリシュトフ・ミラク(ハンガリー)が50秒14で200メートルとの2冠に輝いた。アーティスティックスイミング(AS)のチーム・フリールーティン(FR)決勝は、日本が93・1333点で3位。ASで日本のメダルは過去最多に並ぶ6個目となった。

 水沼選手がやってくれた。バタフライの短距離は自由形に次いで、フィジカルの要素も大きい種目。世界に目を向けると身長が大きい選手が多く、パワーを要する。私は200メートルを専門にしていたが、200メートルと100メートルでは別世界という感覚。日本の競泳界に勇気をもたらす銀メダルだった。

 後半の50メートルが見事だった。何年も前から下山コーチと「50秒中盤で泳いで世界でメダル」を掲げ、そのためのラスト50メートルの設定タイムを26秒7に置いて取り組んできた。決勝の26秒94は優勝したミラクに次ぐ全体2位。最後のタッチまで勢いがあった。26秒7には届かなかったが、準備してきたものが出たレースだった。

 激しいバイクトレで培った脚力と持久力が、スタートとターン後のドルフィンキック、ラスト15メートルの伸びにつながっている。ペダルの重さ、回転数、時間を細かくセットし、科学的に体力の限界まで追い込んできた。それらの練習の積み重ねが、水沼選手の泳ぎの再現性の高さを生んでいる。

 前後半ともに0.2秒ずつは伸びしろがあり、50秒5はもう見えている。東京五輪のメダルラインが50秒7だった。パリ五輪は50秒4は欲しいところ。次は五輪での表彰台を目指してほしい。(北京、ロンドン、リオ五輪3大会連続メダリスト・松田丈志)報知新聞社

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