男性から性別変更、女子競技への出場制限が拡大…「オープン部門」設置を検討

 【ブダペスト=岡田浩幸】スポーツ界で、心と体の性が一致しないトランスジェンダー選手の女子部門への出場を制限する動きが広がっている。国際水泳連盟(FINA)は「女子競技の公平性を守るため」として新ルールを定め、「オープンカテゴリー(部門)」設置の検討を始めた。公平性を保ちつつジェンダーの多様性を認める方策作りが急務で、影響が広がりそうだ。 FINAは19日にブダペストで臨時総会を開き、トランスジェンダー選手の女子部門への参加条件に「男性として思春期を経ていない」ことを挙げ、12歳までに女性に性別変更していることなどを求める指針を賛成多数で可決した。FINA側は「12歳までに性を決めることを推奨するわけではない。科学的に、思春期以降の転向は不公平をもたらす」と説明。事実上、トランスジェンダー選手が五輪などで女子のレースに出るのは極めて困難となる。 背景にはジェンダーの多様化がある。昨夏の東京五輪では、性別変更した選手が女子重量挙げに五輪史上初めて出場。今年3月には、競泳全米大学選手権の女子自由形でトランスジェンダーのリア・トーマス選手が優勝して議論となった。競技団体は対応を始め、今月に国際自転車競技連合(UCI)がトランスジェンダー選手の出場条件を発表。男性ホルモン「テストステロン」の許容値を引き下げるなど、女性に性別変更した選手の出場ルールを厳格化した。 一方、年齢を条件としたFINAの指針には一部の選手や団体から「差別的で、非科学的」との批判が出ている。FINA側は「不快感を持つ人がいることは理解しているが、競争を正当化する上で性的特徴を定めることが必要」とした。

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